峰雲へコンビナートは煙上ぐ

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  • みのる:林立するコンビナートの煙突が競ひあうように煙を揚げ、高々とある雲の峰を目指しているように見えたのです。「煙吐く」ではなく「煙上ぐ」としたので真直ぐに勢い良くあがる煙の様子も見えてきます。 - 2024/01/27(土)
  • 澄子:背後にモクモクとした積乱雲。重なるようにコンビナートからモクモクと上昇してゆく白煙……そんな相似が作者の目を惹いたのではないでしょうか……青空と白雲のくっきりとした色彩の対比 自然(峰雲)と人工物。これもまた盛夏の海辺の景なのですね……。 - 2024/01/27(土)
  • えいいち:空に向けてコンビナートの白い煙がもくもくと上がって行き夏の雲がわいているようだ、というのが句意と思うのですが、「東京には空が無い」という時代に育った私にはコンビナートの煙と言えば灰色の毒々しいものを思い浮かべ一瞬どきりとしました。しかし現在では煙突からは無害な白い水蒸気の煙しか上がってきません。今でなけれ読めない句かも知れないなあと、思ってしまいました。 - 2024/01/26(金)
  • かえる:もくもくと湧き立つような夏の雲。コンビナートの煙突から吐き出されるものは実は蒸気だそうなので、きっと真っ白。白い煙がどんどん立ち上っていくように見えることでしょう。青空に浮かぶ真っ白な峰雲をめがけ、煙突が吐き出す煙が互いに溶けていく様子に作者は見惚れているのではないかと思いました。 - 2024/01/26(金)
  • 康子:「雲の峰」ではなく「峰雲へ」により雲との境目がなくなる程煙がモクモクと煙突より立ち上っている様子が想像できます。また「コンビナートは」の措辞により、まるで煙突が生きているかのように煙を吐き出していることを表している気がします。昼夜問わず煙を吐き続けているのでしょうか、工場の方々への尊敬の念も含まれているのかもしれません。峰雲でないと表現出来ない情景だと思い、ジリジリと暑い夏が想像でき、季語が動かない句だと感じました。 - 2024/01/26(金)